|
|
一般定期借地権(50年以上)を利用した住宅が登場していますが、価格は所有権タイプの分譲に比べ5割〜6割くらいになっています。
東京圏での一例をあげると土地170m2前後、建物120m2程度で保証金が750万円〜900万円、建物が2500万円〜3000万円。毎月の地代が3万円〜。4000万円以下の価格で手に入るわけで、その物件の周辺で、このクラスの建売住宅を購入すると7000万円前後はしますから、定期借地権付き分譲は半額強といってよいでしょう。
契約期間が過ぎれば返還しなければならないー“利用権分譲”といったものになりますが、ユーザーの反応は上々です。 |
|
|
|
● |
「所有権にこだわると高くて手が出ない」 |
● |
「手の届く範囲のものは遠くなるか、狭くなる」 |
● |
「そこそこに広い住まいが手に入るのであれば“利用権”でもよい」 |
● |
「50年あれば一生住める。子供もしばらく住んでいられるかもしれない。」といった考え方からです。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
ユーザーのなかには「所有権のマイホームを売って、利用権に買い換え、老後の生活の安定を…」というケースも見られます。
今後マイホームには、“所有権付き住宅”“賃貸住宅”に加えて“定期借地権付き一戸建て・マンション”の3つの選択肢が出来上がってくるともみられます。
なお、この“定期借地権付き住宅”の分譲形態は、主に次の2通りのタイプがあります。
(1)建築条件付き販売代理方式……住宅メーカーに建物請負契約することを条件に、借地契約において土地オーナーの代理として仲介し、土地オーナーとユーザーが直接定期借地契約を結ぶもの。戸建住宅で利用されます。
(2)転売方式……いったん住宅会社が土地オーナーと定期借地権契約を結び建物を建て、定期借地権付き建物としてユーザーに分譲し、定期借地権契約は、住宅会社からユーザーに分譲し、定期借地権契約は、住宅会社からユーザーにそのまま委譲されるもの。戸建住宅や定期借地権分譲マンションで利用されています。 |
|
|
|
|
|
|
これまでは「貸したら損。戻ってこない。」といったことから、貸地供給は激減していました。それが「返還保証」されるようになりましたので安心して貸すケースが増し、借地の供給が増えます。
とくに最近は賃貸事業など土地活用の“経営神話”が崩れかかっていることもあって、“リスクの少ない定期借地権”には関心が高まっています。 |
|
事業の展開にあたって土地費用の負担が軽くなり、可能性が広がります。
例えばロードサイドでのレストラン、チェーンストア、ガソリンスタンド、物販店などです。オフィスや賃貸住宅も土地を買収しては採算が合いませんが借地であれば成り立つケースもあります。
それから、事業にはロケーションに左右されるものが多いわけですが、都市や環境が変化した場合にも所有地上での事業に比べ、借地であれば比較的身軽に移転できます。
従来は、他人の土地に自社ビルや特殊仕様のビル建築をするためには、オーナーに資金差し入れして建築してもらう建設協力金方式が採用されました。定期借地権であれば、土地そのものを借りて自社ビルの建築も可能になります。
細かいことをいえば、所有地を購入したときには所有権移転登記のための登録免許税が固定資産税評価に対し1000分の50の税率で課税されますが、それが不要。さらに土地購入のための資金は金利・税金分を除き必要経費に計上できませんが、借地の地代は経費になります。なお、保証金や敷金は返還時に戻ってきます。 |
|
法人にとって、社宅・寮や福利厚生施設の充実は欠かせないものになっていますが、定期借地権を活用すれば費用負担も比較的軽く、手がかけられます。
福利厚生施設は業務・生産設備のようにその効果がはっきりした数字や形になってあらわれるものではないだけに、土地費用の負担が軽くなるのは法人にとっても魅力があるのではないでしょうか。これまでは厚生施設などの土地資産も一つの信用度につながるものでしたが、最近は“土地神話”が崩れ、土地所有が重荷になるケースもみられるだけに、借り上げタイプの社宅・寮が増えています。定期借地権タイプの福利厚生施設は、借り上げタイプに比べれば建設費用などの当初の費用はかかるでしょうが、所有権タイプと借り上げタイプの中間的な存在として注目する法人が増えてくることでしょう。なお建設費は減価償却の対象になります。 |
|
定期借地権は新しいものだけに融資面が問題とされていましたが、住宅金融公庫では以前からマイホームの新築資金の建物部分の融資は行われています。
保証金への融資についても、都市銀行や地方銀行が、定期借地権の保証金の返還請求に質権設定しての融資を取り扱っています。
また、定期借地権付き住宅の保証金の資金調達については、返還原資部分を除き父母・祖父母からの1千万円までの贈与税を軽減する住宅取得資金の贈与特例の適用を受けることができます。
賃貸用や事業用の建物などへの融資は、いまのところ借入れる法人・個人の信用力に左右されるところが多いようですが、定期借地権の事例や定期借地権付き建物の流通市場などが整備されるにつれ、プロジェクトそのものの内容に応じて融資が行われるようになっています。 |